ブロンズ像「Warm Wind From the North ~あたたかい北風~」
サラブレッドが繋いだ絆から生まれたユニークな撮影スポット
ノーザンホースパークのほぼ中心に位置するアトラクション「観光ひき馬」。そののりばからほど近い距離で、乗馬を楽しむゲストと馬たちを見守るように設置されているのが、ノーザンファーム及びノーザンホースパーク代表取締役 吉田勝己がモデルの銅像「Warm Wind From the North ~あたたかい北風~」です。
うっかり本人と見紛うような、そのユニークで親しみやすい姿に、競馬ファンはもとより今や国内外のあらゆるゲストが思わず足を止める撮影スポットとなっています。
この銅像が制作された背景にはある競走馬のオーナーと当時まだ新進のサラブレッド生産育成牧場との絆があります。
無敗の三冠馬として一躍日本中にその名を轟かせ、彼の挑戦に日本中が熱狂した名馬「ディープインパクト」のオーナー、金子真人氏(株式会社 図研代表取締役社長)は、1990年半ばに知人の紹介で、当時日本のサラブレッド生産界を牽引していた「社台ファーム」分割にともない、新たな生産育成牧場「ノーザンファーム」を立ち上げたばかりの吉田と知り合うまで競馬を全く知らなかったといいます。その出会いがきっかけで1995年にJRA(日本中央競馬会)の馬主資格を取得した金子氏。2001年には同氏所有のノーザンファーム生産馬「トゥザヴィクトリー」が競馬で最高の格付けを持つG1レースに勝利します。
それを皮切りに「キングカメハメハ」「ディープインパクト」「アパパネ」などノーザンファームで生まれた所有馬たちが数々の国内G1タイトルを優勝。2015年11月「ラブリーデイ」の天皇賞(秋)優勝により、金子氏は個人馬主として初めて「中央競馬八大競走※」を完全制覇するという快挙を成し遂げました。
2016年、金子氏はこの大きなゴール達成における感謝と長きに渡るパートナーシップの記念に、吉田をモデルとした銅像を制作するアイデアを思いつきます。吉田の普段着とトレードマークの競馬新聞を米国にいる作者のもとへ送り、同氏のよく知る「勝っちゃん」に雰囲気まで似せることにこだわったといいます。銅像のタイトルも「仕事に対する情熱や厳しさのなかに見える、馬や従業員への愛情」を比喩して金子氏が名付けられました。
2016年はマカヒキ、2018年にはワグネリアンが日本競馬で最高の栄誉とされている日本ダービーを勝利するなど、金子氏と吉田はサラブレッドを介し良きパートナーとして、現在も変わらぬ厚い信頼関係で結ばれています。(2019年4月現在)
※日本の中央競馬のなかで特に格式の高いレースとされていた「八大競走」と呼ばれる8つのレース(桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞、天皇賞(春・秋)、有馬記念)のことを指す。
- 設置
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2017年7月
- サイズ
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体高135cm×奥行90cm
ベンチ幅182cm×座面の高さ45cm
- 素材
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ブロンズ
- 重さ
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317kg
- 寄贈
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金子 真人 氏
- 制作者
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Seward Johnson(スワード ジョンソン)
Seward Johnson(スワード ジョンソン)
1930年アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれ。等身大のブロンズ制作にこだわり、本物と見間違うような人物像を得意とする彫刻家。アメリカ合衆国や日本など世界各国に多数の作品が展示されています。